2016年01月25日

ロシアの石炭生産量は世界何位?(2014年版)

ロシアの石炭生産量について、2014年のデータ(出典:BP)を見てみましょう。

石炭ランキング表.png石炭ランキング図.png

石炭生産量一位は断トツで中国で、世界全体の約半分を占めています。ロシアの石炭生産量(3.58億トン)は世界6位でした。
可採埋蔵量で見ると、ロシアはアメリカに次いで2位です。炭田はアメリカとロシアに多く分布しています(下図)。資源量を生産量で割ったR/P比は439です。つまりロシアは400年間分以上の石炭資源を持っていることになります。
世界の石炭資源分布.jpg
図.世界の石炭資源分布(JOGMEC,2014)

ロシアの主要な炭田を下図に示します。
ロシアの主要炭田.jpg
図.ロシアの主要炭田(JOGMEC,2014)

日本にとってもロシアは、オーストラリア、インドネシアに次いで第3位の石炭輸入先です。以下に石炭の輸出入の流れを示すコール・フローを示しますが、日本の輸入先はオーストラリアがダントツの年間1.137億トン。ロシアからの輸入は1,240万トンで、オーストラリアの約9分の一しかありません。
コールフロー(褐炭を含む).png
図.2012年見込みのコール・フロー(JOGMEC,2014)

図をみると中国の輸入量も多いことが分かります。中国は上述のとおり世界の約半分を占める石炭生産量ですが、それでもまだ石炭が足りず輸入しています。この国はどれだけCO2を出しているのでしょうか?またロシアから中国への石炭の輸出は最近急激に増えています。これは中国がロシアの炭鉱開発に融資した見返りです。

現在、日本を含めた東アジア向けのロシア石炭生産地の西の限界はクズネツク炭田となっています。そこから極東の港までの鉄道輸送距離は6,000km以上です。積出港に近い極東地域にも炭田は分布していて、主に鉄道に沿った地域から炭田開発が進んでいます。
シベリア鉄道の輸送インフラ.png
図.ロシアシベリアの輸送インフラ(JOGMEC,2014)

しかしながら鉄道の輸送量増加に対し輸送能力が追い付いていません。渋滞による速度低下、機関車の老朽化、鉄道と港湾の接続部のボトルネック(臨港地区の操車場での滞留)、積出港の能力不足が輸出拡大のネックとなっています。そのためロシア政府はバイカル・アムール鉄道の近代化(複線、電化、トンネル)や港湾の能力増強などのインフラを整備する予定です。

ロシアの石炭採掘コストは全般的に非常に安く、オーストラリアの半分の30〜40ドル/t程度と言われています。そして日本に一番近い石炭積出港は極東ロシアの港です。
鉄道での運搬距離が短い極東の炭田であれば、運搬に関するボトルネックが解決すれば、オーストラリアの石炭に取って代わる可能性があると思います。
東シベリア極東の炭田分布図.jpg
図.東シベリア・極東の炭田分布図(JOGMEC,2014)

ロシアの石炭生産量は世界何位?
答え:世界第6位(2014年)。可採埋蔵量は世界第2位で、400年分以上の石炭埋蔵量を持つ。極東ロシアの炭田は、日本に距離的に近いため、今後の動向が着目される。

引用文献
BP(2015):BP Statistical Review of World Energy June 2015
JOGMEC(2014):平成25 年度海外炭開発支援事業 海外炭開発高度化等調査「世界の石炭事情調査−2013年度−」平成26 年3 月.655頁.

posted by 日露資源ポテンシャル研究所 at 10:27| Comment(0) | 生産量国別ランキング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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