2016年02月05日

沿海地方の金鉱床(Askold鉱床)

ウラジオストクから約50km南東に位置する無人島アスコリド島にあるAskold鉱床を紹介します。
日本海に浮かぶアスコリド島は本土との定期航路もないため訪れる観光客は稀です。
かつて中国人が無断で金を採掘していたため、ロシアと争いが起こった島とされています。

Askold鉱床は花崗岩類に関連した金鉱床で、古生代の火山岩類・堆積岩類に貫入したグライゼン化した中生代の花崗岩中に含金石英脈のストックワークが認められます。
Askold鉱床地質図.jpg
図.Askold鉱床の地質平面・断面図(Noklerberg et al.,2005)

鉱石鉱物は自然金、黄鉄鉱、硫砒鉄鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、四面銅鉱、輝水鉛鉱です。
脈に伴われる変質鉱物である白雲母のK-Ar年代からは、鉱床は約84百万年前の白亜紀に形成されたことが示されています(Ishihara et al,1997)。
鉱脈の平均品位は5.9-7.6g/tAuです(Noklerberg et al.,2005)。
ボーリングも実施されており、鉱床は深度100m以上続くと予測され、鉱床規模は中規模とされます。Wikipediaではフォーキノ (沿海地方)の記述に
「同島には何十トンもの埋蔵量の金があると推定されている。」とありますが、これはいくらなんでも盛りすぎだと思います。

引用文献
Noklerberg et al.(2005): Metallogenesis and Tectonics of the Russian Far East, Alaska, and the Canadian Cordillera. U.S. Geological Survey., Professional Paper 1697.
Ishihara S., Gonevchuk G.G., Gonevchuk G.A., Korostelev P.G., Saydayn G.R., Semenjak B.I. and Ratkin V.V.(1997): Mineralization Age of Granitoid-Related Ore Deposits in the Southern, Russian Far East., Resource Geology,4 7(5), 255-261.
posted by 日露資源ポテンシャル研究所 at 09:48| Comment(0) | 沿海地方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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