2016年02月05日

沿海地方の金鉱床(その他の鉱床)

沿海地方には大規模な金鉱床はないようです。その他の金鉱床についてまとめて以下に紹介します。

・Krinichnoe鉱床
白亜紀後期の花崗閃緑岩体中に金-黄鉄鉱-石英ゾーン、石英-炭酸塩ゾーンが認められ、含金石英脈は様々な形状・サイズの鉱体中に認められます。鉱石鉱物は自然金、黄鉄鉱、硫砒鉄鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、輝水鉛鉱、磁硫鉄鉱、テルル蒼鉛鉱、磁鉄鉱です。鉱床規模は小規模で、品位は最大2.8g/tAu、171g/tAgです(Noklerberg et al.,2005) 。

・Progress鉱床
硫化物に乏しい黄鉄鉱-硫砒鉄鉱-金-石英脈や細脈、鉱化を受けたフラクチャーゾーン、マイロナイトゾーン、炭酸塩-緑泥石-セリサイト変質岩ゾーンからなる花崗岩類に関連した金鉱床です。脈状、レンズ状、ストックワークなど形状で石英-硫化物鉱石が分布しています。
鉱石鉱物は黄鉄鉱、硫砒鉄鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、白鉄鉱、自然金です。鉱床の深度は20〜30mは見込まれており、鉱床規模は中規模とされます。平均品位は5.89g/tAuです(Noklerberg et al.,2005) 。

・Porozhistoe鉱床
硫化物に乏しい含金脈と鉱染状が斑レイ岩中のカタクラスチックと片状ゾーンに認められます。主要鉱石鉱物は黄鉄鉱、磁硫鉄鉱、黄銅鉱です。Auは緑泥石を含む斑レイ岩体中に鉱染状として産する他、細い脈状・ネットワーク状の細脈として産するものもあるそうです。鉱床は白亜紀後期の花崗岩体に伴われ、規模は小規模、平均品位は5.39g/tAuです(Noklerberg et al.,2005) 。

・Maiskoe鉱床
 ホウ素スカルンで有名なDalnegorski地区に位置しており、日本海から15qと近いところにある金鉱床です。鉱床は白亜紀前期の陸生岩と白亜紀後期のイグニンブライト、流紋岩質凝灰岩とのコンタクトに沿ったシアゾーンに発達する浅熱水性Au-Ag鉱床です。主要鉱石鉱物は銀四面銅鉱、針銀鉱、エレクトラムです(Noklerberg et al.,2005) 。

・Tayozhnoe鉱床
NW〜N-Sトレンドの裂罅帯に沿った高傾斜の石英脈からなる鉱床で、白亜紀前期の砂岩を母岩とします。鉱脈は走向延長100〜500mで幅は0.5〜2mです。主要鉱石鉱物は銀硫塩鉱物で黄鉄鉱、硫砒鉄鉱は稀です。鉱床の浅部では銀は四面銅鉱、銀四面銅鉱、ステファン鉱、濃紅銀鉱、雑銀鉱、下部では針銀鉱およびステファン鉱が卓越するようになり、含銀黄鉄鉱、アラルジェンタム(Ag6Sb)なども認めらます。鉱床規模は中規模とされ、品位は1g/tAu、50〜2,000g/tAgです(Noklerberg et al.,2005) 。1980年代より採掘されているそうですが、現状は分かりません。

ロシア地質調査研究所VSEGEIによる鉱産図にそれぞれの鉱床の位置を示します。いずれの鉱床も日本海に近いことが分かります。

沿海地方の金属鉱床.jpg
図.沿海地方の金鉱床位置図(VSEGEI)

引用文献
Noklerberg et al.(2005): Metallogenesis and Tectonics of the Russian Far East, Alaska, and the Canadian Cordillera. U.S. Geological Survey., Professional Paper 1697.
posted by 日露資源ポテンシャル研究所 at 10:04| Comment(0) | 沿海地方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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