2016年07月05日

ロシアのおすすめお土産-チャロアイトЧароит

シベリアでしか産出しない美しい鉱物チャロアイトCharoiteを紹介します。チャロ石と呼ばれることもあります。
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図.チャロアイトの研磨した試料(幅5.5cm)
http://www.mindat.org/photo-203842.html

チャロアイトはラベンダー色を呈した絹糸光沢を持った鉱物で、研磨性が良いことから彫刻用の石材や装飾品として使用されます。

Charoite加工例.jpg
図.チャロアイトの加工例(Solyanik et al.,2008)

シベリアのサハ共和国オリョークミンスク地区を流れるチャラ川で地質調査を行っていた地質学者V.G Dietmar氏によって、1948年にこの紫色の鉱物は初めて記載されました。
しかし彼はこれを新鉱物とは思わず、角閃石の一種であるカミントン閃石と記載しました。
この地で1973年にが再び調査された結果、地質学者Yuri Rogovによりこの紫色の鉱物を含む鉱床が発見され、学術的な研究が行われました。
Rogov氏の奥さんである鉱物学者Vera Rogovaが1977年にカミントン閃石ではなく、新鉱物であることを発見し、1978年に新鉱物チャロアイトとして登録されました(Rogova et al.,1978)。
化学式は
(K,Ba,Sr)(Ca,Na)2[Si4O10](OH,F)・H2Oですが、以下の化学式もRozhdestvenskaya et al.(2010)により提唱されています。
(K,Sr,Ba,Mn)15-16(Ca,Na)32[(Si70(O,OH)180](OH,F)4・nH2O
更に不純物として微量のマンガンが含まれており、このマンガンが紫色の起因であると考えられています。

チャロアイトは世界で唯一シベリアでしか産出せず、鉱床の枯渇が心配されます。そのためサハ共和国政府はチャロアイトの年間採掘量を最大100トンに制限しています。
チャロアイトはロシアで切手のデザインにもなっています。
2000_Charoite_613.jpg
図.2000年に発行されたチャロアイトの切手

Wikipediaによるとチャロアイトは世界三大ヒーリングストーンの一つとされるそうです。
モース硬度で5-5.5であり、宝石としてはやや硬度は低く、傷が付きやすいので注意が必要です。
チャロアイト装飾品.jpg
図.チャロアイトの装飾品(Yahoo画像検索結果)

私はパワーストーンをまったく信じませんが、チャロアイトが美しくて希少価値のある鉱物なのは間違いありません。
ロシアのお土産屋さんで板状に研磨されたチャロアイトを見つけて、日本に買って帰りました。
今ではネットショップで簡単にチャロアイトを買うことが出来ますが、皆さんもロシアに行く機会があれば、ロシアのお土産としていかがですか?

引用文献
Solyanik V.A., Pakhomova V.A., Ushkova M.A.,(2008):Charoite - A Champion among Mineralogical Discoveries in the Second Half of the 20th Century.The Journal of the Gemmological Association of Hong Kong.Volume XXIX.p77-80.
Rogova, V.P., Rogov Y.G., Drits V.A., and Kuznetsova N.N. (1978) Charoite - A New Mineral and a New Jewellery Stone. Zap. Vses. Mineral. Obshch., 107, pp 94-100 (in Russian).
Rozhdestvenskaya, I., Mugnaioli E., Czank M., Depmeier W., Kolb U., Reinholdt A. & Weirich T. (2010) The structure of charoite, (K,Sr,Ba,Mn)15-16(Ca,Na)32[(Si70(O,OH)180](OH,F)4.0.nH2O, solved by conventional and automated electron diffraction. Mineralogical Magazine, 74, 159-177.
ラベル:ロシア
posted by 日露資源ポテンシャル研究所 at 11:22| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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