2016年08月21日

ロシアのレアアース生産量は世界何位?

不定期にお伝えしているロシアの資源ランキング。今回はレアアースを紹介します。
アメリカ地質調査所のデータから、2014年のレアアースの産出量を見てみましょう。
レアアース生産量ランキング表.png
レアアース生産量ランキング図.png
*生産量トン数はレアアース酸化物(REO)としてのトン数
*レアアーストン数はランタノイドとイットリウムを含む。スカンジウムは含まない。


2014年のレアアース生産量世界第一位は中国で、世界シェアの85%を占めています。ロシアの生産量は2,500tで、これは世界第4位でした。
2010年に尖閣諸島で起きた中国漁船の衝突事件をきっかけに、中国はレアアースの輸出規制を行いました。現在でも、中国が生産量のほとんどを占めていることには変わりありません。しかしながら中国にしかレアアースがない訳ではありません。
レアアースの鉱床自体は世界中にあります。しかし中国は安いコストで環境を顧みずに開発を進めるために、他の国では高品位鉱床や開発しやすい環境下の鉱床でしか生産ができないのです。

レアアースの埋蔵量でみると、ロシアは世界第2位の埋蔵量を占めています。
レアアース埋蔵量ランキング表.png
*USGS(2016)のロシア埋蔵量はNAとなっているため、木原(2013)による埋蔵量を使用。
*その他の国々の埋蔵量はUSGS(2016)のOther countriesの埋蔵量から木原(2013)のロシア埋蔵量を引いた数字。


ロシアで商業的にレアアースを採掘しているのはムルマンスク州のロヴォゼロLovozero鉱床です。
オペレーターであるLovozero Mining and Concentrating CompanyはロパライトLoparite精鉱を生産しています。
ロパライトは(Ce,Na,Ca)(Ti,Nb)O3の化学式を持つレアアースを含んだ灰チタン石グループの酸化鉱物です。
ロパライト精鉱はペルミ地方のSolikamskにあるプラントに運ばれ、ここでレアアース複合炭酸塩となります。
ロシア国内にはまだレアアースの分離・製錬設備がないため、中間生成物であるレアアース複合炭酸塩はほぼ全量輸出されます。

ロシアの主なレアアース鉱床はムルマンスク州やイルクーツク州に多くあります。
ロシアのレアアース鉱床図.png
図.ロシアの主なレアアース鉱床(大木、2011)

ロシアのレアアース鉱床はアパタイト鉱石タイプが多く、酸化物ΣREOの平均品位は0.4%以下で、他の国の開発中の鉱床に比べ低品位とされています(木原,2013)。

ロシアのレアアース生産量は世界何位?
(答え)2014年は世界4位(シェア2.0%)。
レアアースの生産は中国が大きなシェアを占める。
埋蔵量ではロシアは中国に次ぐ第2位。

引用文献
USGS(2016):Mineral Commodity Summaries 2016 MOLYBDENUM.
木原栄治(2013):ロシア等における鉱業の現状.独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構平成25年度第7回金属資源関連成果発表会会議資料.p23.
大木雅文(2011):ロシア・CIS レアアースビジネス情勢.独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構平成23年度第9回金属資源関連成果発表会会議資料.p3.
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posted by 日露資源ポテンシャル研究所 at 05:17| Comment(0) | 生産量国別ランキング | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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