2016年07月24日

サハリン島の銅鉱床(Novikovskoe鉱床とRys'e鉱床)

サハリン島は面積7.64万km2を持つ島で、北海道(面積7.81万km)よりもわずかに小さい島です。
サハリン島の東側には、Aniva-Nabil鉱床区と呼ばれるVolcanic Mn鉱床、Volcanic Fe鉱床と共にキプロス型の塊状硫化物銅鉱床が産するベルトがあります。
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図.サハリン島のAniva-Nabil鉱床区と銅鉱床の位置

サハリン州の州都であるユジノサハリンスクから内以東へ約80km、アニバ湾に面したノヴィコヴォNovikovo(日本名:弥満やまん)には、Novikovskoe鉱床があります。Novikovskoe鉱床はキプロス型塊状硫化物鉱床?とされる鉱床で、プロピリティック変質を受けた塩基性火山岩中に硫化物鉱染が認められます。
主要鉱石鉱物は黄銅鉱、黄鉄鉱であり、方鉛鉱、斑銅鉱、四面銅鉱、輝銅鉱、藍銅鉱を随伴します。
母岩は石英-セリサイト-炭酸塩からなる熱水変質を被っています。
鉱染帯の厚さは0.1〜0.7mと小規模とされ、平均品位は1%Cu, 0.1%Pb, 0.1%Znです。
この鉱床はロシア地質調査研究所が出版している地質図にも記載されています。
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図.ロシア地質調査研究所VSEGEI発行の地質図幅「L-54-XVIII」

Novikovo周辺を拡大した地質図を示します。図中の22番(銅鉱床のシンボル)がNovikovskoe鉱床です。
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図.Novikovo地区の拡大図

またサハリン島中部のテルペニア湾付近にもRys'eと名付けられたキプロス型塊状銅鉱床があります。
厚さ0.1~0.5mのゾーンに黄鉄鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱、方鉛鉱、石英、セリサイト、緑泥石を含みます。
母岩は白亜紀前期の火山岩類とチャートです。
Rys'e鉱床は小規模とされ、平均品位は0.5~1.0%Cu, 0.1~0.2%Pb, 0.1~0.2%Znです。
タグ:サハリン
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2016年07月11日

サハリン州の銅鉱床(概要)

極東ロシアの銅資源について、まずは日本に近いサハリン州から説明していきます。
サハリン州は面積約8.7万km、人口約55万人の州で、ロシアでは唯一の島のみで構成される州です。
州都はユジノサハリンスク(人口約19万4千人)です。

サハリン州位置図.jpg
図.サハリン州位置図

サハリンの産業としては、資源エネルギー業(石油・天然ガス・石炭)、漁業・水産加工業、林業の3分野が
挙げられます。資源エネルギーはサハリン島北部オハ地区の豊富な化石燃料資源のおかげもあり、右肩上がりの成長を続けています。

しかし今回説明する銅の資源では、有望なものはこれまで発見されていません。
サハリン州の地質はその地勢からサハリン島とクリル(千島)列島に分けることができます。ロシア地質調査研究所VSEGEIによる地質図をみると、サハリン島の地質は南北に同じ地層が続いています。サハリン島の地質は道北の地質によく似ています。
クリル列島は若い火山島です。一部の島には深成岩がありますが、基本は若い火山岩が配列して分布しています。

サハリン州の地質図VSEGEI.jpg
図.サハリン州の地質図(VSEGEI)

サハリン島にはキプロス型と呼ばれるタイプの銅鉱床があります。
クリル列島には黒鉱型と多金属鉱脈型の銅鉱床があります。
次の記事でサハリン島の銅鉱床を取り上げます。
タグ:サハリン
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2016年01月23日

サハリン州の原油・天然ガス資源

これまでサハリン州の金鉱床を中心に説明してきましたが、サハリンと言えば石油(原油)や天然ガスを思い浮かべる方も多いかと思います。
ロシア地質調査研究所VSEGEIによると、サハリン島北部に多くの原油があるのがわかります。
サハリン州の原油・天然ガス.jpg
図.サハリン州の原油・天然ガス資源(VSEGEI)

表.凡例
石油天然ガス凡例.jpg

凡例には原油нефтяное〜ガスгазовоеまで分かれていますが、サハリン島北東部には規模の大きい鉱床が数多くあります。
またサハリン島南部には少量ですが、天然ガスの産出があるようです。
一方、千島列島には何もマークはありません。千島列島の島々は基本的には若い火山島で、地表は多くは火山岩によって覆われています。石油・天然ガスが溜まっている堆積岩はないのでしょうか?


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2016年01月10日

サハリン島の金鉱床

ロシアの金資源について、日本に近いサハリン州から説明していきます。
サハリン州はロシアで唯一、島だけで構成される州です。州都はユジノサハリンスクです。
サハリン州位置図.jpg
図.サハリン州の位置図

サハリン州はその地勢的にサハリン島と千島列島に分けることができますが、サハリン島では石油・天然ガスが豊富です。金-銀鉱床もサハリン島中部に分布します。
ロシア地質調査研究所VSEGEIのサハリン州の鉱産図によるとサハリン島には中央部に多数の金Au鉱床が密集しています。島の南側にはゲルマニウムGeの鉱床、島の北側にはクロムCrの小さな鉱徴地があります。
北方領土を含む千島列島にも金資源はありますが、千島列島の地下資源は別途ご報告します。
サハリン州の鉱産図.jpg
図.サハリン州の鉱産図(VSEGEI)

サハリン島の金鉱床として主要なものとしてはLangeriiskoe鉱床が挙げられます。Langeriiskoe鉱床はサハリン島中央部ポロナイスクПорона́йск(日本語:敷香)より北100qに位置する含金石英脈鉱床です。鉱床の母岩はペルム紀〜三畳紀のスピライト・グレーワッケ、ジュラ紀〜白亜紀早期のスレートそして新生代の火山岩類・チャートなどからなります。Langeriiskoe金鉱床は褶曲帯に規制されたレンズ状の石英-硫化物からなる含金鉱脈ですが、その規模は小さいとされます(Nokleberg et al.,2005)。金品位は不明です。
またとても小規模ですが、周辺には砂金の産地もあります。

まとめ
・サハリン島には中央部に金鉱床があるも小規模。

引用文献Noklerberg et al.(2005): Metallogenesis and Tectonics of the Russian Far East, Alaska, and the Canadian Cordillera. U.S. Geological Survey., Professional Paper 1697.
posted by 日露資源ポテンシャル研究所 at 03:42| Comment(0) | サハリン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする