2016年06月21日

サハ共和国の金鉱床(Nezhdaninskoye鉱床)

ロシア企業のPolyus Gold社が2006年に権益を獲得した金鉱床であるNezhdaninskoye鉱床を紹介します。Nezhdaninkaと表記されることもあります。
鉱床はヤクーツクの東約480kmに位置しています。

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図.Nezhdaninskoye鉱床位置図(ロシア語版Wikipedia)

1973年から1993年まで一時期採掘され、およそ2百万トン(平均品位7.6g/tAu)の鉱石が採掘されましたが、その後金価格の低迷により閉山となりました。

金を含む鉱石は以下の3箇所に存在します。
(1)最大幅40m、延長5.4kmに及ぶ高傾斜のシアゾーン
(2)幅1.2m、延長200mの石英脈
(3)シアゾーン中のレンズ状石英脈

鉱脈は石英、炭酸塩、硫砒鉄鉱、方鉛鉱、閃亜鉛鉱、灰重石、セリサイト、曹長石、黄銅鉱、四面銅鉱、輝安鉱、自然金、Pb-Cu硫塩鉱物を含みます。
前期の自然金-黄鉄鉱-硫砒鉄鉱脈と後期の自然金-硫化物-石英脈があります。
母岩は石炭紀からペルム紀の砂岩および頁岩で、主に珪化変質を受けています。
鉱床は深部方向に1,000m以上続くとされ、ボーリングの他、7つのレベルで坑道探鉱が行われています。

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図.Nezhdaninskoye鉱床の風景

この鉱床はロシアでも大規模金鉱床とされ、ロシア語版Wikipediaでは117つの鉱体の内、37つの鉱体で鉱量が評価され、埋蔵金量は680tAuとなっています。

2015年12月にPolymetal International社はPolyus社とNezhdaninskoyeの開発についてJV契約を締結しました。この時の公表された鉱量は123.262Mt@5.13g/tAuであり、埋蔵金量は632tAuとなっています。Polymetal International社が投資をして、フィージビリティ・スタディを完成させれば、権益の50%を獲得してオペレータとなる契約となっています。
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2016年06月18日

サハ共和国の金鉱床(Tabornoe鉱床とGross鉱床)

ロシアやアフリカで金鉱山を操業するNordgold社のTabornoe鉱床を紹介します。この鉱床は現在Neryungri鉱山として開発されています。サハ共和国第2位の都市で炭鉱街があるネリュングリNeryungri(人口約6万)が位置するNeryungri地方に鉱山があることからNeryungri鉱山と呼ばれています。
Nordgold社は2007年にTabornoe鉱床を含む鉱山の権益を、現在も露天掘りで操業を続けています。バム鉄道のIkabya駅より125q北東に位置しています。

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図.Neryungri鉱山(Tabornoe鉱床)位置図(Nordgold,2016a)

この鉱床ではオープンピット採掘、ヒープリーチングにより金を生産しています。しかしながら冬の寒さが大変厳しく、冬のリーチング操業では浸出液が凍結するため困難です。そのため金の大部分は夏〜秋に生産されています。
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図.Neryungri鉱山Tabornoe鉱床オープンピット(Nordgold,2016b)

2015年は4.211Mt@0.69g/tAuの鉱石が処理されてました。2015年の金生産量は84.1kozでした。
2015年12月末時点の可採鉱量(Proven&Probable)は32.6Mt@0.73g/tです。
2016年からは周辺の衛星鉱体であるTrench7とTyomnyの開発も始まります。
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図.Tabornoe鉱床の衛星鉱体と2016年試錐計画(Nordgold,2016c)

またNordgold社はNeryungri鉱山より5km東にあるGross鉱床の開発も行っています。可採鉱量は370.43Mt@0.73g/tAuが計上されています。2016年より開発を進め、2年以内に生産を開始する予定です。マインライフは17年が予定されています。
gross鉱床の探鉱現場.jpg
図.Gross鉱床試錐現場(Nordgold,2016a)

引用文献
Nordgold(2016a):Nordgold: Exploring for Resource Growth. Howard Golden, Exploration Director / NORD LI (LSE). PDAC Presentation. March, 2016.p18.
Nordgold(2016b):2015 Integrated Report.p329.
Nordgold(2016c):Nordgold: Exploring for Resource Growth Howard Golden, Exploration Director. Presentation. April 14, 2016.p35.
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2016年06月07日

サハ共和国の金鉱床(Kuranakh鉱床)

Kuranakh鉱床はPolyus Gold International 社が露天掘りで操業を続ける金鉱山で、2015年は144.7KozAuの生産がありました。Kuranakh鉱床の位置を示します。
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図.Kuranakh 鉱床位置図(Polyus Gold International 社Website)

鉱床は11もの鉱体からなり、これらの鉱体はジュラ紀の砂岩などの堆積岩中に胚胎しています。
鉱体は伸長したレンズ状の形状をなしており、その厚さは1mから数十mです。
金粒は細粒で概して直径3μm以下であり、黄鉄鉱と共生しているそうです。

鉱山は40 年にわたって操業が続けられ、これまでおよそ75Mt が採掘されました。
2015年の鉱石採掘量は3.996Mt@1.31g/Auでした。

Kuranakhピット.png

Kuranakh採掘.png
図.Kuranakh 鉱床のオープンピット(Polyus Gold International 社Website)

Polyus Gold International 社のWebsiteによるとKuranakh 鉱床の2015年12月末時点可採鉱量(Proven and Probable)は53.9Mt@1.38g/tAuです。
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2016年06月06日

サハ共和国の金鉱床(概要)

極東ロシアの金鉱床の紹介は、いよいよ極東最大の面積を持つサハ共和国を説明します。サハ共和国は面積は310万km2で、アルゼンチンの国土の広さを上回ります。人口は約95万人。
州都はヤクーツク(人口約22万)です。
サハ共和国位置図.jpg
図.サハ共和国位置図

サハ共和国には石油、天然ガス、石炭、金、銀、ダイヤモンドなど非常に多様かつ豊富な地下資源があります。特に、ロシア全土で産出するダイヤモンドの99%がサハ共和国産です。ロシアは世界第1位のダイヤモンド生産量を誇ります。

サハ共和国の産業は、鉱業の他、木材産業、木材加工業があります。
ヤクーツクまで鉄道を延長する計画があるものの、実現には至っていません。
アムール州からヤクーツクまでは幹線道路があります。しかしヤクーツクからマガダンに至るコイルマ道は幹線道路といえどもほとんどが未舗装です。道路の舗装率は約8%です。

サハ共和国の地質の大部分はシベリアクラトンであり、地質的には極東よりもシベリアの一部であると言えます。原生代の火成岩体はサハ共和国の南側に認められます。ジュラ紀から白亜紀にかけてのYasachnaya River火山深成岩帯はマガダン州からサハ共和国の南東部まで続きます。
ロシア地質調査研究所VSEGEIのAu-Ag鉱産図によると、金鉱床はサハ共和国の東側および南側に多く分布しています。
サハ共和国のAu-Ag鉱産図.jpg
図.サハ共和国のAu-Ag鉱産図(VSEGEI)

サハ共和国ではダイヤモンド鉱床の他、金-銀鉱床、錫-タングステン鉱床、ウラン鉱床などがあり、稼働している鉱山も多いです。
posted by 日露資源ポテンシャル研究所 at 00:10| Comment(0) | サハ共和国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする